小林賢太郎@かでる2・7

「KENTARO KOBAYASHI LIVE POTSUNEN 2006「○ maru」札幌公演」




長いようでやっぱり長かったアタシにとっての「○maru」が、遂に終わりました。当然のように5日間全部チケット取ったんですが初日を見終えた直後にそんな己を若干恨んだことも今となっては全ていい思い出です。結局は毎日きちんと劇場に通い、最終日にはアンケートに「ありがとうございました」と書いて帰ってきましたよ。
なんだかんだ文句言いつつも、やっぱり見に行っちゃうのな。初日はハスに構えて見過ぎたのかもしれない、とか思って次の日からは必死に「いいとこ探し」ですよ。だって出来る事なら嫌いになりたくなんてないんですから。あの頃あんなに好きだったんだから、そんなすぐ嫌いになれるわけないし。恋かっ!恋です。好きな人には好きなように生きて欲しい、でも!いつまでもアタシの理想のままでいて欲しいのっっ!これはもう完全に完璧に見紛うことなく恋の話でしょう。しかも小六レベル。なんだかなぁ。キモ過ぎますねホント。しかーも。アタシの更にキモいところは徹底的に貶すトコね、これ。ツンデレのツンのみ、ですよ。人はまたそれをサドと呼ぶかもしれません。てゆうか単なる嫌な奴だよね。怖いわ〜。いつまでもそんなんじゃ、駄目さ!というわけで札幌ポツマル、締めの感想文ぐらいはせめてツンデレのツ、程度を心がけつつ挑みたいと思います。




「○×クイズ」+「○色々」

「ニューヨークに行きたいか〜?!」でお馴染みのアレに参加する、というテイで進行するコント。冒頭、舞台後方の壁に描かれていた大きな○のマークが○×クイズの○である、と気付いたときの納得の笑いが観客の間をじわじわと縫うように広がる様はイヤラシクも小気味いいですね。舞台の上の人はさぞかし気持ちのいいことでしょうね。
そんな「じわじわ笑い」は次に次々続く、大きな「○」のマークは実は「⊂」と「⊃」を組み合わせた図形で、磁石で壁に貼り付けてあるソレを「∩ ∩」と置き換えたり「U U」と並べてみたりすることによって様々なモノや状況に見立てる、という小ネタコントでも頻繁に湧いていて、観客にしても小林さんの仕掛ける罠にずぶずぶと埋まっていく瞬間、というのはかなり気持ちの良いことでありましたよ。


初日に「ぼいぃ〜ん」を3回やったあとに「くそう、丸井今井のスーツがしわくちゃだ!」とご当地ネタ挟んでました。それ以降「ぼいぃ〜ん」は1回だったんですけれども、丸井今井ネタはずっとやってましたね。


そういえば、4日目にコントの順番を間違えた場面がありました。本当なら「⊂⊂」→「∩∩」→「(∩Uをくっ付けて並べて)〜」の順で並べるトコを「⊂⊂」→「〜」と並べようとしたんです。ネタ的に前後したってなんら問題ない部分なので、多分小林さんはそのまま「⊂⊂」→「〜」→「∩∩」と続けても良かったんじゃないかと思うんですよ。でもリピーターさんの突っ込みを込めた笑い声で、やり直さざるを得なくなってらっさいました。あれは初めて見る人ヒくわ〜、とちょっと思いましたよ。どこまでもお茶の間感覚!
ちょっと思ったんですが、これ例えばエレキコミックあたりで同じことあってもきっとヒかないんじゃないでしょうか。その差ってなんなんでしょうね。ネタの自由度の違いでしょうか。エレキさんは随分と自由でらっさるから。ねぇ。あとラーメンズさんは割りと演劇に近くてらっさるから。ね〜ぇ。演劇で観客から突っ込み入って段取り変わる、て普通ないでしょう。観客は間違いに気付いても黙ってるのが演劇、黙ってられないのがお笑い。この一点から見てもラーメンズさんはホント微妙な位置に居ますよね。
あの場で「順番とか別にいいんだよ!」ってキレてみせる小林賢太郎、とかちょっと見てみたいような気もしますけれども。(にやにや  …あ〜、でもラーメンズ、だったら二人だから全然違うか。どっちかが間違えたら観客より先にもう片方が突っ込みますもね。なるほどうまい具合になってるもんだね!コンビって!(あから様に何かをアピール

「パントマイム」

これは…器用貧乏な小林さんらしいパフォーマンスですね。不思議で奇妙な世界を次々と巡る男、という設定を効果音とパントマイムらしきものだけで表現するコント。足音や未知の動物、弾むボール、自販機、なんかの音に合わせて何もない空間を小林さんが身体ひとつで表現するんですが、これがなんてゆうかもう微妙な仕上がりでしたね〜。特に初日なんて音と動きが合ってないんだもの。日に日にマシになっていってたので、ツアー千秋楽までには上手になってると思います。ガンバッテ!
でもねあのね、これはマイムの精度ありきのコントだと思うんですよ。ネタの着眼点だけでも別に面白いからマイムの精度は二の次…とはあまり思えません。こういうところが子供騙しだ、と感じる原因のひとつなんです。是非とも頑張って欲しいものですね。


3日目は平日の木曜日だったからか途中入場する方が異様に多かったように感じました。邪魔でしたね〜。係員さんもなんで幕間に誘導するとかしてくれないんでしょうか。暗い?そうかなぁ。
で、ね。こーゆーマイムにありがちな「ボールを力いっぱい床にぶつけて弾ませて、落ちてくるのを待つけどなかなか落ちてこない。忘れた頃になってようやく落ちてきたボールを絶妙のタイミングでキャッチ☆」てゆうシーンの時にも前の方の客席で遅れて来たお客さんがモゾモゾやってて、小林さんがわざとそっちに気をとられて「そうそう、そこちょっと開けて通してあげて」みたいなアドリブのジェスチャーを入れてから、落ちてきたボールをキャッチしてました。やるじゃな〜い。

「カジェット・ショー」

ハイきた子供騙しポインツ。「ノマキューブ」と名付けた正方形のからくりキューブを利用しての唄遊びと、「展開連景」と銘打った言葉遊び+絵遊び、それと「世界怪獣分解記」とかいうパズル遊びで、賢太郎おじ…お兄さんと楽しく遊びましょうワ〜イ!みたいなコーナーです。


「ノマキューブ」は文章だと説明し辛いですね。賢太郎お兄さんの低音ハミングに合わせてリズムよくパカ、パカ、とからくりキューブを展開していくんですが4日目に間違った操作をしてしまい「壊しちゃった…」と呟いていました。でも5日目にはちゃんと元通りに直ってました。ちぇー!(なんの期待か
お唄は二曲。「静かな湖畔」*1と「やぎさんゆうびん*2です。徐々に歌うテンポをアップしていくのに合わせて、からくりも素早くパカパカパカパカあーたのちいねーーーってゆう。実はこの「やぎさんゆうびん」は後からやるコントの前ふりでもあります。


「展開連景」というのは16分割した折り紙の四隅に意味のある四字熟語を配置してあらかじめ折り畳んであるものを展開していくと、また別の意味のある文章に様変わりする、という仕組みです。
例えば

  一石
  二鳥

という折り紙を開くと

  流懐
  超高い唯
  一頼んだ
  本焼

という文章が出現します。(「一流懐石 超高い 唯一頼んだ 二本焼鳥」と読んで下さい。)
他には

  八方
  美人

   ↓

  ヶ岳
  面合って
  るのかよ
  大浪

なんてのがありました。
そのあとは、以上を踏まえての絵バージョン。たこ焼きを開くとホットドック、それをまた開くとハンバーガーになったり、「?」という記号を開くと「謎なぞ」という文字になったり。ここら辺までくるとネタってよりかは「それはお前の匙加減ひとつとちゃうんかい」なこじつけ色が随分と強くなり、それに伴って子供騙し感もグッと赤丸急上昇。「虹の下で万歳をしている人」を展開すると中に仕込んであった紙吹雪がパッと舞い、さっきまで虹だった半円が…なんということでしょう!*3「オリンピックの五輪マークとその下で喜ぶ群集」に大・変・身!!なんの変哲もない折り紙が、笑いの匠・小林賢太郎の手によって今まさに生まれ変わr…すみませんでした。


「世界怪獣分解記」…。これがなんつうか非常に温いネタでして。怪獣を分解して並べ替えたらワ〜びっくり6Pチーズになっちゃったすごいや!…みたいな。それまず6Pチーズありきで考えたっしょ、てゆう。他にはクレパスありき、世界地図ありきのパズルを逆回転で見ましたね皆で、てゆう。非常に可愛らしいネタなので小さいお友達なんかには多分喜んでもらえるんでしょうけれども、こっちは悲しいかなもうそんな純粋な心なんてとっくのとうになくなってまってるもんでビタイチ楽しめないんですよ残念ながら。


ここのコーナーが楽しめない理由は多分もうふたつくらいあると思うんですけれども、まずひとつ。ノマキューブ、展開連景、分解記、これはすべて小林さんがテーブルの上で色々やってるのを上からカメラで撮ってその映像を横にある大きなスクリーンに映してるんですが、そのとき常に画面上部にその時の題名を表示するシステムになってたんですよ。それって、必要なのん…?なんだか過剰なサービスのような気がしましたよ。
あとひとつ、これは終演後にAnnikaさん(id:Annika)とお話していてなるほど〜と思ったんですけれども、小林さんが極力言葉を発してないんですよね。「怪獣分解記」のときにはさっきまで題名を表示していたそのスペースに、「隊長」と「隊員」の台詞が順次表示されていく段取りになってました。

 (黄色い怪獣が登場)
隊員「隊長!怪獣ロッピーが現れました!どうぞ」
隊長「よし、分解光線発射!どうぞ」
隊員「了解!どうぞ」
 (怪獣の下に敷いている黒い台紙を揺すると、バラバラに分解される)
 (それぞれのパーツを組み合わせて…テッテレー!黄色い丸に)
隊員「丸く収まりました!どうぞ」「食べちゃっていいッスか?どうぞ」
隊長「どうぞ!どうぞ」
 (6Pチーズの蓋をかぶせる)
 (観客、お〜。)

ここらへんの台詞全部、口頭じゃ駄目だったのん…?そのせいでなんだか単調なイメージを受けましたし、何より眠いんだよ〜黙って映像だけ見てると〜。言いっぷりで笑わせるネタにはしたくなかったんでしょうか。この無言なかんじにポンキッキ臭を感じましたよ。パクリとかじゃなくて、こんなかんじのブリッジ*4よくあるある〜的な。しかしなんでまたこのコント(?)をやろうと思ったんでしょう。子供向け?う〜ん。

「ハンドマイム・アンプラグド」

前回ポツネンの時はCG映像と手、だった「ハンドマイム」が今回進化(退化?)してアナログなガジェットと手、になったわけですが。う〜んこれも小さいお友達向けかもしれません。物語からして絵本風味だし。可愛いけど、でもそれだけです。「悪い魔女に魔法で蛙の姿に変えられてしまったボクが怪獣をやっつけて時計の針を戻すとなんと!呪いが解けてお姫様も無事救出めでたしめでたし」て。もういいだけ汚れっちまったおばちゃんは一体どんな顔をしていいものやら。いや、絵本とかは今でも相変わらず好きで読みますし、ベタもまた様式美として受け止められないわけじゃないですよ。なにより普段からその様式美の最たるものであるボーイズらぶーなんてぇのをがっしがし好んで読んでるある程度オツムが単純な人間なので、ベタなのは決して嫌いじゃないはずなんですでもねぇ、まさかこの場で小林賢太郎さんからソレをお見舞いされるとは夢にも思ってませんでしたもの。正直面食らってしまいましたよ。

「白ヤギと黒ヤギ」

なんかやっとコントっぽくなってきた、なってきたよ!ようやく目も覚めてきたよ!
「恋人よ 僕は旅立つ 東へと向かう列車で」そんな歌い出しから始まる名曲『木綿のハンカチーフ』そのままの書き出しでお手紙を書いている、白ヤギさん。…てゆうシーンから始まるコントです。先程までとは一転、今度は40代以上は勿論30代前後の大きいお友達が大喜び。そう考えるとポツマルは幅広い年齢層へのフォローを念頭に置いて構成されたのかもしれませんねーなんて、思いついた端から適当なこと言うだけ言ってみてますけれども。


煌びやかな都会の生活を夢見て草と土しかない山から旅立って行く白ヤギさんと、それを明るく見送る黒ヤギさん。二人の手紙のやり取りで物語は進行していきます。
小林さんは左半身が白、右半身が黒の布で仕立てたスーツに身を包み、丸い回転台の上に乗せた白黒の座布団の上で右へ左へクルクルと回りながら一人二役を演じていきます。手にする扇子と手拭いを便箋と鉛筆に見立てているところや話の落とし方なんかは、まんま落語風味です。


刺激的な都会の生活によって次第に変わっていく白ヤギさんの楽しそうな手紙を、黒ヤギさんは毎回素直な気持ちで受け取り続けます。親切な都会のお金持ち・赤ヤギにCDデビューさせてもらえる事になった白ヤギさんは、黒ヤギさんに一度都会に出てこないか?と誘いの手紙を書くのですが実はそれは純朴な黒ヤギさんを騙すための罠でした。本当はCDデビューなんて真っ赤な嘘、白ヤギさんは草ひとつ生えていない都会で飢えと寂しさに打ち震えていたのです。

白ヤギ「都会にはなんでもあるけど、都会には君が居ないから」

そんな切実な心中を書き記した手紙さえ、白ヤギさんは空腹のあまり自分で食べてしまいます。騙されているとも知らずに訪ねてきた黒ヤギさんはしかし本当のことを知ってすら優しくそれを許し、二人はひっしと抱き合うのでした〜


ザ・ええ話!なんともい〜い話なんですよ、これが。
アクセントと大オチで登場する赤ヤギのキャラクターもいい味出してましてね。このコントは好きです。とても好き。随所に散りばめられている『木綿のハンカチーフ』の歌詞もツボだし、時々思い出したように噺家口調になるところも笑えます。
初日から4日目まで、細部の違いはあれど全体的な印象はそう変わらなかったんですが、楽日の芝居だけはなんだかやけに心に残っています。上に抜き書きした台詞が出てくる、白ヤギさんが本音を手紙に書き綴るシーン。その日までは手拭いと扇子を持って手紙を書くジェスチャー込みの芝居をしていたんですけれども、最終日だけはそれまで持っていた手拭いと扇子をスッと目の前に置き、グッと前のめりになって真っ直ぐ前を見ながら台詞を話していました。それだけで随分と印象が変わって見えるもんなんですね。大袈裟にやり過ぎるとあざとく映るかもしれませんが、程々にやる分には非常に素敵な芝居だな、と思いましたよ。


それにしても『木綿のハンカチーフ』。なんだか随分と乙女ちっくなところからネタを持ってきたもんです。毎日それぞれ異様にツボにハマっちゃう人が客席の何処かに必ず一人居て、お馴染みのフレーズが出て来る度にアヒアヒという笑い声があとをひいて響いてました。多分毎日違う人だったと思うんだけど。それだけ色んな人の琴線に色んな意味で触れやすい曲なのかもしれませんね。ナイスチョイスっす☆ただしどうしたって大きいお友達向けではあるけれども。


あと小林さんの過剰なサービス精神はここでも発揮されていて、白ヤギさんが都会での自分の活躍っぷりを写真に撮って黒ヤギさんに送るんですが、その時に「豹柄のコートを着た僕を見てくれ」という一文を手紙に書き添えるんです。そして実際に都会で再会する時には白ヤギさん、ちゃんと豹柄のコート着てるんですよね。本物の豹と勘違いして怖がる黒ヤギさんの誤解を解くために早々に脱いじゃうから、多分着てる時間なんてせいぜい5秒ですよ5秒。それだっけのためにわざわざ半身ごろしかない豹柄のコートを小道具として用意してしまう小林さんの隙間のなさには、ほとほと感心してしまいます。マメだやねぇ〜!

「Paddle」

大きな画面に映るCG映像に合わせて小林さんがマイムをする、というコーナー。持っている団扇をラケットにして画面の中のボールを打ち返したり、かと思えばソレ持って飛行機を誘導したりします。Paddle(パドル)、というのはラケットという意味もありますが、空港で飛行機の前に立って誘導している人をマーシャラーと呼ぶそうで、その人らが手信号を送るときに使うラケットみたいなアレのこともパドル、と呼ぶんですってよ。へぇ〜じゃあマーシャリングシーンが比較的長めでも仕方ないんですね〜だって主題だもの。
初日に居た女の子がコレのときめっちゃ笑ってたなぁ。ただ単にラケットでポイン、てボールを打ち返してるだけなのに「あきゃきゃきゃ☆」って。かぁーわいーぃ(プーチンとマーチンで


このコーナーラストのお楽しみは小林さんからのプレゼントタイムだよドーン。画面に描かれた黒丸が小林さんの手の中で柔らかフリスビーとして突然具現化して、それをピューッと客席に放り投げるんです。アタシは5日間中2回、かなり落下点から近い席にいたんですが、残念ながら入手出来ず…。神は正しい行いをしたよ。ちなみにこれはファンサービスなんですよね。ファンサービス。ファンサービス。

アナグラムの穴」

前回のポツネンでも披露されて、かなり好評だったコーナーです。
今回は

をアナグラみましたよ。
小林さんのアナグラムは文字を並べ替えるだけでなく、ソレに沿って描いたイラストと一緒に楽しむのがお作法です。当然イラストはあらかじめ用意してあるだろうに、前回ポツネンではいかにもその場でアナグラんでます的な小芝居を挟んだりしてたのにいちいちムカついたもんでした。いるか?その芝居。大丈夫、今回はそういう小癪なことはやってませんでしたよ。そのかわり、どれだけ華麗にカードを並べ替えるかに随分とこだわってらっさったようです。そうかそうか。楽しいのか。そうか。(小刻みに頷きながら


始まる前の幕間で、薄暗い中舞台に上がり椅子に座るまでは無表情なんですが、明転した途端目を眇めて遠〜〜くを眺める表情に変わっていたことが5回中3回くらいあったような気がします。実はこれ単なるツカミとは別に、ちょっとした伏線なんじゃないか?と最終日に感じたんですが、それは後述。

ふらんだーすの いぬ → いぬの ふらだーんす
  【イラスト】土俵上で向かい合う黒猫と犬。犬はマワシではなく腰蓑を付けている

「出るか?出るか?出たァァァ犬のフラダァーンス!!!」実況アナウンサーが絶叫。そのあと小さい声で「黒猫の方はタンゴを踊ったんでしょうね」だって。ハイ、うまいうまい。
アドリブで「ふらんすの いぬだー」って並べて、BGMの音を絞るカポをおろしてから「逃げろ〜〜〜!」って叫んでました。このカポをおろす時の表情が毎回なんとも楽しげでね。面白いこと考え付いちゃった〜つう顔なんでしょうね、おそらく。勿論わざとそういう顔作ってたときもありましたけれども。アドリブを装うとか誘い笑いをするとか、ラーメンズ…ことに小林さんに関しては最初からある程度「あり」だと思って見ないと興醒めしちゃいますし、舞台の上の人は皆大なり小なりそゆことはしますわな。それにまぁあれです、可愛らしいから別にいいんじゃないでしょうか。(えー。盲目!

めとろぽりす → ぽり と めろす
  【イラスト】お魚掴んで走るメロス。それを追いかけるポリス。

楽日だったかに、しばらーくこのイラスト眺めてから脇にどけて、でもやっぱりまたもどしてメロス指差してクツクツ笑ってました。きっと反芻のツボに入ったんでしょうね。だってたしかにメロスの顔がね、すごい可笑しいの。ちょっと半笑いでイッちゃってるかんじだし。顎ないし。絶対罪の意識とかないもん、このメロス。

ほしの おうじさま → おじの うま ほしさ
  【イラスト】馬の首をしっかりと抱いて離さない、おじ。

「買ってくれるまで、わしゃココを動かんぞ!」そう頑固に言い放って馬に頬擦りする「おじ」。楽日だけ声色変わってました。ちょっと太い声になってた。細かっどうでもいいですね〜そんなとこ。
続けて「おじさまの ほうし」とアナグラむんですけれども、これ最初読んだときパッと頭に浮かんだのは「おじさまの胞子」。びっしりとカビで覆われたおじさまから胞子が湧き出てるイラスト。こわい!この場合正しくは「おじさまの奉仕」。メイド服に身を包んだおじさまが「お帰りなさいませ、ご主人様。」と貫禄たっぷりに貴方をお出迎えします。

かいてい にまんまいる → かいていに まんま いる
  【イラスト】海底に、さっきのメイド服のまんま居る、おじ。

こわい!酸素ボンベとかシュノーケリングの類を一切装備してない!まさにまんま。こわい!
1日目は「まるいいまい」まではアナグラんでみたけどそれ以上広がらず。2日目に「まるいいまい かにてん」とアナグラみ「(受話器を取る仕草)ハイお電話ありがとうございます!マルイイマイ蟹店、でございます!」と。お〜、ご当地ネタ完成。続けて「お客様、申し訳ございません。当店でヤドカリはお取り扱いしてございません…」とか言ってました。3日目、4日目とも同じようなかんじでやってたんですが、楽日にはそのあと改めて「まるいいまい、面白い!」って言い出して「まるいいまい に かてん(丸井今井に勝てん)」ってアナグラんでました。

わがはいは ねこである なまえは まだない → なは はまである わがねこは いいなまえだ
  【イラスト】「おじ」の膝の上でくつろぐ黒猫「はま」

前回ポツネンのときは「いか」がレギュラーキャラクターでしたが、今回は「おじ」と黒猫の「はま」がレギュラーのようです。ちなみにこの「おじ」にも顎がないんですよ。顎がないってだけでなんか笑える顔になりますね。
このあと「はま」の継母「がるえ」と派手な姉「だいな」が登場。二匹は猫の癖にハワイへ行き「こな」でラリり、お土産に「はわいなまこ」を買ってきて「はま」を困惑させます。そのせいかなんなのか、ある日「はま」は家出をします。

わがなは はま まるいねこ あだなは いえで
  【イラスト】「おじ」の膝の上でくつろぐ黒猫「はま」のアップ

帰って来て良かった良かった、と頷きつつ目を細めて遠〜〜くを眺めながら膝の上の「はま」を撫でている「おじ」、ってゆうテイの小林さん。ゆっくりと暗転…
決まった〜〜!なんかすげぇキレイなオチなのな。なんか逆に上手すぎでヒく、ぐらいな。実際あまりにも余韻満々で美しくオチたために客席に笑いはなくじわじわと拍手が起こる、ってかんじでした。弱くても駄目、上手くても駄目、難しいですね〜オチって。


ところで、このコントの最初でやってた「目を眇めて遠〜〜くを眺める表情」は、家出した「はま」が帰って来るのを待つ「おじ」なんじゃないですかね?いくらなんでも深読みしすぎかい。しかもやってる時とやってない時あったし。でも札幌で思いついたんだとしたら?こっから先のツアーでも毎回やってたら、きっとアタリだと思うんだけれども。どうですかね。

「○maru」

これはこれはなんとも美しいファンタジーですね。
「○」というモチーフにただならぬ拘りを持つ売れない絵描きの物語。彼と会話をしている不思議な存在「maru」の正体をグリグリと突き止めるのはあまり意味がないような気もしますので、内容には踏み込まないようにしてざっくりとした印象だけを書いておきます。
自信満々で排他的で天才肌を気取ってて自分の信じる芸術が全てで人一倍孤独な絵描き…これって、小林賢太郎本人をダブらせる気満々じゃないですか。違いますかね。そういうアタシがまんまとダブらせられてるだけなんでしょうか。
そもそもアタシは小林さんが演じるところの「チョイ悪男」がとてもとても苦手なんです。なんか見てるとコッチが恥ずかしくなるだもの。「CLASSIC」のダメ人間とか、全然見てられないんです。多分あの絵に描いたようなチョイ悪、てゆうのが駄目なんじゃないかと。絵じゃなくて、絵じゃなくて、せめて人間でおねげぇしますだ勘弁してくだせぇ〜(衰弱)て、気分になるんです。そこに加えてそのチョイ悪男を陰に日向に優しく見守る存在「maru」だもの。かゆかゆかゆ〜〜ですよ、もう。見てられない、見てられないんです!
これ以上書いてもただの悪口大会になるのでやめておきますね。要は人生を斜めに生きているアタシにとって、全く馴染めないキラキラした世界がそこにありましたよ、と。そういうことです。終演後、少しすまなさげな表情で出てくる小林さんの目にもし万が一アタシの顔が映っていたなら、面目ないことをしました。美川憲一の物真似をするコロッケかっちゅうぐらいアタシの口はドエライ方向に曲がっていたでしょうから。いや〜辛かったです。非常に辛かった。いい修行になりました。




ポツネン、ポツマルと続いた小林賢太郎オンステージ。小林さんは、やって良かったって思えてるんでしょうか、どうなんでしょうか。ただ、アンコールで出てくるときの表情はラーメンズのときほど晴れやかではなかったように見えたんですが、それはアタシがそう見たいからそう見えただけかもしれませんね。やって良かったならまたやるだろうし、そうでなかったら二度とやらないでしょうから、それはこれから嫌でもわかることでしょう。
アタシにしても、こんだけこき下ろしておいてなんですが見に行かなければ良かった〜とは今は思ってません。小林賢太郎のやることなすこと全部ツボ!全部可笑しい!といつの間にか思い込んでたのが実はちょっと違って、確かに最初は大いに戸惑い取り乱したものの、それはそれで別にいいっか〜と気楽に構えられるようになった気がします。小林超ツマンネ!って思うときもあるんだ〜、実際!って。負けてなお兜の緒を絞めましたよ。(ポジティブシンキン!


さて、次は何持って札幌に来てくれるんですかね。とても楽しみです。もしかして本公演?!なんて淡い期待を抱いてみたり。ま〜た最初ツマンネ!って一人で大騒ぎするんでしょうか。精神衛生上あまりよろしくないので是非とも勘弁していただきたいですけれども、それは蓋を開けてみない事にはなんともねぇ。ともあれポツマルはまだあとしばらく続くんですもね。各地で美味しいものたくさん食べて更に胴回りを分厚くなさるんでしょうか。きっとあすこにはあれだ、夢とか希望とか面白いコントのネタとかがたくさん詰まってるんだよ。それならもっともっと存分に肥えるがいいですよ。ちょっとずつ覚悟しながら待ってようと思います。今度こそ気楽に楽しめますように〜




おしまい。あー長かった!

*1:♪静かな湖畔の森のかげから♪

*2:♪しろやぎさんから おてがみついた♪

*3:劇的ビフォーアフトァー風に読んで下さい

*4:という呼び方はこの場合正しいのか?コーナー間に流れる短い映像のことです