小林賢太郎@かでる2・7

「KENTARO KOBAYASHI LIVE POTSUNEN 2006「○ maru」札幌公演」




動揺しています。
どれくらい動揺していたかというと、観劇後アンケートも書かず逃げるようにホールをあとにして帰り道にあったカフェに飛び込みツナ&シュリンプサンドとホットカフェラテを買ってテーブルについた後にそういえば家に帰ってご飯を食べようと思っていたことを思い出す、ほどでした。しかも汗だくなのにホットて。さらにレギュラーて。己を呪いました。
何にそんなに動揺していたのか。多分観劇中からそれは続いていて、しかも時間差で色んな思いが交錯していたような気がします。折角なので順を追って書きながら整理していきたいと思います。
ですから、これから書くことはレポートではありません。一個人の感想です。私見です。


まず、各コントについての感想をザッと。正直に書きます。*1
(※各タイトルは便宜上アタシが勝手に名付けたものです。)

「○×クイズ」
お得意の一人芝居。オチが弱い。
「○色々」
最後の”虹”で顔が歪む。
「パントマイム」
音とマイムのちょっとしたズレが気になる。何やってるかわからないトコロあり。
「ガジェット・ショー」
ボロボロの怪獣、最初の1ピース目で世界地図だとわかる。考える順序を逆にしただけの仕掛けで、冷める。しかも世界に平和が…て、ベタな〜。
「ハンドマイム・アンプラグド」
アンプラグドになった途端、ただの”手”にしか見えなくなった。大掛かりな仕掛けを組んだ割に、大したことなし。
「白ヤギと黒ヤギ」
丸い台座に座布団を乗せた時点でニヤリ。往年の名曲「木綿のハンカチーフ」をなぞった掛け合いが楽しい。赤ヤギがオイシイ。
「Paddle」
飛行機のシーンが長い。
アナグラムの穴」
「おじ」押しが笑った。色々あったけど結局ネコは可愛いヨネー、て?
「○maru」
二人芝居が上手過ぎるほど上手い。感動させる気満々の音楽・照明・紙吹雪にただただ苦笑。雪だるまに抱き寄せられる様に唇は歪み眉間の皺が深くなるばかり。

わ、笑えなかった…ヤギの落語以外、ほとんど笑えなかった…。かと言って感動も感心も感激も出来なくて、周りの方々が楽しそうに笑ったり感嘆の声を上げているのに比べると自分だけなんだか損してるような気持ちになりました。あんな子供騙しにいちいち反応してられないよ何故もっと笑わせてくれないんだ、とヤキモキしていました。


ところで、今日の客席には可愛い女の子が一人、いらっしゃいました。アタシの席からは姿は見えなかったんですけれども、その声を聞く限りおそらく小学生低学年…もしくはもっと年下の子だったかもしれません。とにかく結構に小さな女の子が居るんだなぁと思いました。(実際に見て確かめたわけではないのであくまでもアタシの勝手な想像です)
これまで見たほとんどの演劇やライブでそんな小さいお子様は居たことがなかったので、最初に彼女の幼い笑い声が聞こえた時は結構新鮮味を感じてました。そして多分それは他のお客さんも同じだったと思います。目立ってよく通る彼女の笑い声は、他の観客の笑いを度々誘っていましたので。小林さんの一挙手一投足にいちいち反応し、アナグラムのカードを一文字一文字読み上げる彼女の声。それを聞きながらぼんやりと思ったんですよ。これはポンキッキじゃないか、おかあさんといっしょじゃないか、って。


アタシはなんだか随分と思い違いをしていたのかもしれません。ラーメンズとポツネンを同じ土俵で考えるから困惑するはめになるんです。あっちとこっちは別物なんですよね。そうなんですよ。アタシはポンキッキおかあさんといっしょで爆笑しません。だから「○maru」で笑えなくても気に病む必要はないし、マイムのミスや子供騙しの仕掛けに落胆するのはお門違い、アタシの見方が間違えていただけなんです。


  (さあ、だいぶ気持ち悪い展開になってきましたよ)


ラーメンズ」から派生するカタチで展開した「ポツネン」、そのネタを更に進化させた今回の「○maru」なのではないか、とアタシは思いました。書き表すなら

ラーメンズ」 > 「ポツネン」 > 「○maru」

となるでしょうか。「○maru」は「ラーメンズ」側から見ると随分と距離を置いたところに存在することになります。アタシは阿呆なので、これっくらい距離が離れてからでないと、別物だとは気付けませんでした。小林賢太郎が生み出す卵はいつもこんな色、みたいに決め付けていたんだと思います。そんでその色でないと嫌だ!と駄々をこねていただけです。
明日っからは、小林賢太郎のやる事なす事、小林賢太郎の考えた仕掛けのアレコレに逐一反応出来るよう、集中して、のめり込んで見てやろうと思います。それが「○maru」を楽しむための秘訣だということを、あの小さいお友達に教わった気がします。ありがとう。


  (はいはい、ここから更に更に気持ち悪くなっていきますよ)


って、そこまでして無理矢理「○maru」を楽しむ必要はあるのか?あるんです!何故ならアタシはラーメンズをあいしているから!


  (キタキターーーー!!)


面白くなかったら、笑えなくなったら、その場を立ち去る。音楽でも演劇でもお笑いでも、そういう態度で接してきたつもりでした。そのはずでした。でも駄目なんだ〜ラーメンズは。そうそう簡単には立ち去れない。だって、一度あの最高の面白さを味わってしまったんですから。
今回はなんか違うなぁいまいちだなぁと感じても、次は?その次は?わからないじゃないですかもしかしたらまた笑わせてくれるかもしれない、楽しませてくれるかもしれないじゃないですか。そう思ったら、途中で立ち去るなんて勿体無くて到底無理なんです。貧乏性丸出しでその場にしがみ付いてしまうんです。
これで、もっと昔からラーメンズの事を知っていればまた違ったかもしれません。立ち去ったあとも自分の中に残った思い出を反芻するだけで気が済むって域まで達するには、まだまだアタシの中の材料が少なすぎるんです。まだまだ、もっともっと、面白がらせて欲しいんですよ。だから精一杯無理してでも、ついて行きたいんですよ。
あああ〜、盲信過ぎて気持ち悪いですね。自分でもそう思います。目が曇ってるどころか耳さえ塞いでるのに、がっちり掴んでるロープは絶対離さない、てゆう。執念、怨念。だったら口もしっかり閉じてればいいのにソコだけは一丁前に全開放しちゃって。ほんとタチ悪いですよ。
長々と書いてきましたが、結論は「アタシは頭がおかしいです」。ポツマルのレポ探してる方、すみませんでした。以上です。

*1:本当に本気で正直に書いたら洒落にならないほど殺伐に。ファンの人ごめんなさい