はれ

「悪人」を読んだ。

悪人

悪人

せつなすぎる…
登場人物の全員がちょっとづつアタシに似ている。一番は馬込光代。こーゆー大胆さと卑屈さって、相反するようでなんでか同時にありえるんです。ちょっとした幸運を天啓!て思ってみたり、色々こじらせすぎてすぐ世界にひとつだけのとか思い込んだり、かと思えば全部自分の勘違いでしたすみませんでしたですよねですよね〜つて殻に閉じこもってみたり。おまおれおまおれ!て思いながら読んでました。
祐一の舞い上がりっぷりとか、死んじゃった女の子の底の浅い虚栄心とか、てんでチャラ男の他人をおちょくりまくった態度とか、祐一の母親の身勝手な被害妄想とか、おばあちゃんの騙され易さとか、娘を亡くしたお父さんの殺意とか、すべてがちょっとづつアタシの中にあって、たぶんこの本を読んだ他の人もそれぞれヒシヒシとそれを感じながら読むんだと思います。そういう人間の負の感情、愚かな面をさして「悪」と呼ぶなら、人間誰もが悪人だろう、と。そういうせつないお話。
男友達が語る祐一の話が物凄くグサッときて、涙が出ました。


妻夫木さんと深津絵里さんにしっかり脳内変換しながら読みました。かな〜りのしっくり感。方言しゃべる深津絵里とかって、もう…っ身悶えますね。近々DVD借りてきます。