よんだよんだ

テロリストのパラソル (講談社文庫)

テロリストのパラソル (講談社文庫)

一部の全共闘世代のオッサンらが喜んでるだけの自慰小説、との反応もあるがそれだけじゃないじゃない?なんつって解説の人はフォローしてるけど、アタシはズバリそう思ったよ。文章と会話がイケてるみたいなことも書いてあったけど、思わせ振りな気配が異様に濃厚なだけの不自然な会話ばっかりでうんざり。他のハードボイルド作品なんかと比べて特に惹かれる台詞もなかったし、う〜ん大絶賛の理由がわからない。
登場する女性キャラクターがあまりにも都合よすぎる…のはハードボイルドにとってはお約束…とわかったところで納得出来るわけもなく。オチも残酷描写も説明台詞で処理かよズコーだし。なんだかなぁ。


幻夜 (集英社文庫)

幻夜 (集英社文庫)

白夜行の続編!ときいて嬉々として読んでみたけど…ちょっと違ったなぁ。上辺は似てるかもしれないけど、魂は別物のようなかんじ。
たぶん悪女側の具体的な手口や振る舞いが必要以上に織り込まれてるせいで、余韻とか余白がないせいなんだと思う。前作はその辺に読書の同情とか共感を挟み込めたところが良かったんだけど、今回はただただ呆然と彼女のやり口を眺めているだけで終わってしまった。読後感は特に何もないです。単なる出来事を目撃したという感慨だけで、心に引っかかるものはありませんでした。続編は…出たら読むかもしれないけど出来るだけがっかりしたくないから期待しないどく。