ラビカ@シアターZOO

「アンテナノサキ」


ZOO7(ズーセブン)参加劇団中、最小規模のラビカ。たった6人の役者さんと、3枚の扉、数個の椅子、机の上にラジオ、という非常にシンプルな舞台でした。シアターZOOにはこのくらいの人数が丁度いいのではないでしょうか。




何かしらのせいで人間が地表に居られなくなり、点在する地下シェルターで暮らすことを余儀なくされた世界。その中のとあるシェルターの中に暮らす人達。地表の様子はまるでわからず、その調査のために隊を組んで出て行った仲間は誰一人帰ってこない。閉ざされたシェルターの中で残された人達は何やってるかってゆーと、面白ラジオドラマを録って放送してる。えー!曰く、どこかの誰かが聴いて来てくれるのを待ってるんだ、と。えぇえー!なんかまぁ、そういう不思議なお話でした。
シェルターの中で生まれて地表の様子をまるで知らない、いかにも電波っ子みたいな子供だけが聴こえるラジオ番組、微弱な電波でしか発信出来ていないのを承知の上で何処かの誰かからのリアクションを待って毎日ラジオドラマを放送してる大人達、そこに突然やってくる他のシェルターの住人、なかなか素敵な物語が展開されそうなキーワードが満載なんですよ。けど、なんかよくわかんないうちに終わっちゃった。どかーん、て終わっちゃったんです。なんで出てった仲間がことごとく帰って来なかったのか、なのになんで他のシェルターの住人はやって来れたのか、なんで大人達はただただ待ってるだけなのか。わかりませんでした。不思議ワードふるだけふっといてフリ逃げかよ、と。なんだあれか、何かの揶揄とかそうゆうあれか。例え話とか、そんなんか。脳みそカッチカチのおばちゃんには所詮理解できん御伽噺か。なんだよ!
劇中劇的に途中何回か展開されるラジオドラマ部分が一応お笑いパート、みたいな位置付けだったみたいです。すげぇベタな刑事ドラマでね、回を重ねるごとに時間が短くなってく。その「短かっ」つうツッコミが天丼でね、おばちゃん天丼大〜好きなもんで、大喜びしちゃいました。「短かっ」つたレイコンマゴ秒後に爆笑。


役者さん達は比較的年齢若めだったんでしょうか。皆すごい一生懸命でした。主役の子供役だった女優さんなんて声枯れしちゃうまで頑張ってました。なるほど初舞台。SKG「桜襲」で鳩男を演じていた立川君の生真面目なメガネ男子っぷりが可愛らしかったです。落ち着いた押さえ気味のキャラだけど、ちょこっとした笑いも取るオイシイ役回りでした。一番気になった役者さんは後半になって突然登場する「他のシェルターから来た男」役の男優さんです。一人だけ凄い上手だったから、出番が少なくてとても残念!


つい最近似たような小説を読んだんですよ。それがまたよりによって、大きなコロニーを頼って小さいコロニーから移動してったらこないだまでたくさん居たはずの住人が2人に減ってて実は食われてた〜俺らも食われちゃう〜みたいなグロい話でね。この舞台見てる間もどうしたってソッチを思い出しちゃうんですよ。このシェルターの大人達が頑なに外に出てかないのは…とか、食料は底をつきかけてるくせに他のシェルターから来た男を引き止めるのは…とか、いつ食われるの?!ってハラハラしちゃってね〜こっちは。当然そんな展開にはビタイチならなくてホッとしたものの、やっぱり様々な疑問だけが残る不思議なお話でしたよ。物語の傾向的には好きな感じだっただけに、ちょっとがっかりでした。
なにもね、無理矢理オチつけろとかいう事ではないんですよ。オチがないならないで、例えばですけどもシェルターに閉じ込められた人らの閉塞感とか、出たいのに出られない焦燥感とか、そのへんで感動させて欲しかったかなぁ、と。こんな絶望的な状況で必死にラジオドラマを放送してる理由が「リアクションが欲しい!」ってだけでは、ちょっと弱いかなぁ、と。いささか暢気過ぎるのではないかなぁ、と。そんなふうに思いました。もしかしてもっと他にも色々滲み出してたのかもしれないけど、アタシにはその辺までしか感じられなかったです。けど次回公演がもしあるなら見てみたいです。もっと他にもあるなら見てみたい。あとあの上手な男優さんにもっと出番を!名前は覚えてないけれども。B-21のヒロミでもデビでもない…誰だっけ?あの人に似てました。チュン?違うか…*1


てゆうか!『ZOO7(ズーセブン)』て『2007年』とひっかけたんのね!「ズー”セブン”なのに6劇団なんだね」つたらバカの子を見る目で「違うでしょ」て教えてもろた!うん!バカでごめん!「じゃあ来年は『ZOO8(ズーエイト)』?2010年になったらどうすんだべ」つたら「続かないでしょ」て!うん!そうかも!ちょううける!

*1:おしい!正解:ミスターちん(ググッた