KKP@ファクトリーホール

「TAKE OFF〜ライト三兄弟〜」札幌公演(6/23、6/24夜、6/25)


大千秋楽後なんでネタバレは気にしませんよ。
映像化を待ってる方は自己責任でよろしくどうぞ〜


ところで、映像化はあるんでしょうかね。場内の案内板に「○-○○の方は座席を移動になりましたので係員に声をかけて下さい」つうのを見かけたので、もしかしたらカメラは入ってたかもしれませんね。果たしてあのアドリブ満載なせいで正解っちゅう正解のない舞台のどこをどう切り取ってパッケージ化するんでしょうか。何をどうしたってあの時現場で感じた空気感は閉じ込めきれないと思いますが、今となってはその選択結果をあえて見てみたい気はします。


すご〜い面白くてすご〜い楽しかったので、チケット発売開始段階で友達を誘っておかなかったことを後悔しました。正直KKPなめてましたもの。前4作をDVDで見ても全く面白くなかったんですもの。いうても大人のお仕事ですから実際そんな訳はないってわかってはいるんですけれども、KK先生の自己満足と小手先の方程式とやらを披露するためのちょっと贅沢なお楽しみ会なんでしょー?ぐらいの感想しか持てませんでした。それと似たようなことを生で見たGBLの時にもポツネンの時にも感じましたので、映像だから魅力5割減って点を甘く評価したとしてもアタシの中ではすっかり「ラーメンズ以外のKKつまんね」ってアタマで凝り固まってましたから、どうしても友達を誘うことは出来なかったんです。ラーメンズのお笑いには馴染めない人でも喜劇が好きな人なら十分楽しめる内容でした。次もしまたKKPを札幌でやってくれるんであれば、自信を持って誘いたいと思っています。「KKP面白いよ!」て。


何がどう面白かったかを書くより何処がどう気持ち悪かったかを書く方が楽しいので普段からソッチに流れがちなんですが、そこを何とか頑張って努力してみようと思う気持ちはやぶさかではありません。
はいじゃあそういうことで。




まずね、何が好きって単純なところが好きですよ。3人の男が出会って→飛行機を作って→飛ばす、そんでもしかしたらまた3人で何か作っちゃうかもね〜って、それだけだもの。途中「自分探し」だとか「遠回りしてこそ人生」だとかいう香ばしいキーワードは顔を出すものの、これはもうKKのチョットええハナシのコ〜ナ〜!手癖みたいなもんだとアタシは思っています。KK先生は手品で驚かせたり屁理屈で煙に巻いたり言葉をいちから構築したりするのがお好きなんだろうに、時々こーゆーどっかっから借りて来たようなベタな定型文を織り込んできますね。か〜〜っ(反吐
アタシがこのお芝居から何を一番受け取ったかって「大の大人が3人でバカなことばっかりやってます」ってもうそれだけだったんで、そのためにはお話は簡単の方が全然ありがたかったです。あと3人って人数が丁度いいですよ。一人がボケ始めても他二人がフォロー、二人でボケ始めても一人は残ってフォロー、って構図が安心して見れました。ときどき鼻の人が勝手にやり過ぎて芝居が止まる瞬間もありましたけれども、全体を通して考えると非常にバランスの良いトリオでした。


特にオレンヂくんがすげぇ良かったですよ。お笑いの人の瞬発力ってホントすげぇ。鼻の人相手でも筋肉の人相手でも力強く切り返してましたもの。特に筋肉の人がオレンヂくん相手にキャッキャ遊んでましたね〜。嬉しいんだろうなぁ。だって何やったってオレンヂくんがなんとかしてくれるんだもの。
覚えてるとこでいうと、筋肉増強マシーンでトレーニング→筋肉の人がプロテインを塗ってオレンヂくんの鎖骨の穴を埋めるってシーン。(こうやって普通に書き出すとバカバカしさが更に増しますね)ココは鼻の人が仲間に入りたがって何度も何度も同じ動作を繰り返すって笑いドコなんですけれども、一日目は鼻にプロテインを塗ってピノキオみたいになれって言ったかと思えば「ピノキオもさ、これ(プロテイン)で鼻のびてたんだよ。嘘つくとさ、出てくんの」つて物陰からプロテインを持って現れピノキオの鼻に補給そしてまた物陰に、みたいな謎の妖精(?)の小芝居をする筋肉の人。二日目は上唇にプロテイン塗って「なんで?」ってきいたら「お前は…純朴すぎるんだよ!」と言いあぐねた割に素っ頓狂な回答をする筋肉の人。アタシはそれ聞いたとき(純朴過ぎるから)鼻の下のばして下品になれって意味だと思ったんだけど、特にそういう説明はなく。ホントなんで?それでもさすがのオレンヂくんは「手がしょっぱいんだよ!」なんてうまい事続けてましたけれども。で三日目は上唇にプロテイン塗って「スネオになれ!」だって。ゲラゲラ。もう自由過ぎて意味がわからない。オレンジくんも笑うしかない。観客もそして演者もとにかく爆笑でした。それ見て鼻の人が悔しがらないわけはなく、その後しっかり「お前のものは俺のものだ!」ってジャイアンでカブせてましたよ(ニヤニヤ


オレンヂくんのアドリブで面白かったのは、やっぱり身長ネタですね。だって巨人と筋肉に挟まれてるちびっ子だよ?ただ黙って並んでるだけってだけで可笑しい。
不器用な巨人さんが間違えて貼り付けてしまったセメダインをとって下さい、というシーン。ある日巨人さんが暴走しまして、まずは間違えてノコギリに貼り付けてしまいます。失笑しつつも剥がしてあげる優しいちびっ子。で次は柱の高ーいトコへ。巨人さんが目一杯手を伸ばしたトコになんてちびっ子の手が届くわけがなく…あぁ〜!つて崩折れてしまいました。ごめんごめんと笑って謝る巨人さんを振り切って「大っ嫌いだ!!!」と絶叫。ぎゃははは〜ちびっ子最高〜


筋肉の人はとにかくボケっ放しの役割。アドリブも実に自由です。ただ、なんとなくですがお笑い芸人と喜劇役者の違いは感じました。鼻の人とオレンヂくんのアドリブが対観客なら、筋肉の人のそれは対演者だったんではないかと。しかも投げっ放しにはするのに受け取れないってかんじ。鼻の人のアドリブに呆然とする場面が度々あったように思います。鼻の人もそこを見越してアドリブかましてんじゃねぇの?と人の悪さにニヤニヤしてしまいました。多分オレンヂくんならうまい事切り返すんだろうな〜ってアドリブも一応鼻の人が筋肉の人に向けて言ってるもんだからオレンヂくんもそこをあえて飛び越えて自分が突っ込むのも野暮かな〜って静観しててでも筋肉の人やっぱりフリーズ、みたいな。それはそれで面白いんだけどね。アタシはお笑い脳のぶつかり合い、みたいなテンポつけてカンカンカーン!てのが大好きなんですが即席トリオにそこまで望んじゃうコッチがそれこそ野暮ですよね。


鼻の人はねぇ。もうこれから一生眼鏡で三つ揃え着てて下さい!と。ああ〜アンケートにそう書けば良かった。(イタい人)赤いネクタイに駱駝色の背広で、金八先生だね〜なんてお友達ちゃんと言ってたら別の日にチラッと金八の物真似やりやがって異様に可笑しかったです。物真似…なんか結構やってたね。ライト兄弟物語の登場人物・トンボさんが日によって「王様のレストラン」の松本幸四郎だったりイノキだったりしました。歌真似では最終日に「なんかやりたいのある?」と余裕の発言。オレンヂくんのリクエストは「BOOM」で、筋肉の人に「5分位練習してもいいよ〜」なんて言われつつもちゃっかり成功してました。アリスで練習したもんね〜
大抵のことはそこそこ器用にこなすまぁまぁ格好良いでお馴染みの鼻先生ですが、突然やり始めた物真似が全く誰かわからなくて、いよいよになってきいたら「大泉洋」だって。似てない!似てないから!声を限りに言ってやった。2列目で。ど真ん中で。(隣の方ごめんなさい)何をどうやっても似ないからしまいには「ミスタ〜」だって。相方の名前言っちゃった!ぎゃはは。その後もヨーロッパをまわってたとか言ってたからDVD最新作でも見たんでしょうか。


大千秋楽の鼻先生は早い段階で見事に台詞をカミまして、そこまで比較的大人しめに進行してた反動なのか、そっからは壊れ行く一方だった気がします。とはいえ、小ネタばかりでこれといった珠玉のアドリブはないかなぁ。アタシ的にはやっぱり「ビタイチ似てない大泉洋」が一番面白かったかも。
あ、アドリブといえば大楽にスタッフのアドリブ(?)がありました。ラスト、飛行機を飛ぶのを見に来た頼人とその母親が運転する軽トラックが、クルッと一回転しました。多分あれは単なるハプニングだったと思うんですよ。だけどすげぇ可笑しいじゃないですか、そんなの。どんなアクロバットよ、と。演者も大喜びで鼻の人が「奥さん!奥さんもう一回!」とリクエスト。ちょっと間があったのち再びクルッと。拍手&爆笑です。はぁ〜くだらねぇ〜でもちょーおもしれぇ〜


大千秋楽のアンコールはいつもの3回+2回(だったかな?)3人はとてもとても嬉しそうでしたよ。
オレンヂくんは小林さんに2回とも本名でコールされてました。でもなんでオレンヂなんだろう。若気の至り?の名残?
3回目でオレンヂくんと筋肉の人がグッズのTシャツ、小林さんが手作りのオリジナルTAKE OFFジャンパーを着て出てくるんですけれども、小林さんは終演後もあれ普段着として着用なさってましたよ。これまたオリジナルらしきTAKE OFFキャップ(色は青で正面は白onデカめのTAKE OFFワッペン)と一緒に。このツアー終わってもこのセット着て出歩くんでしょうかね。離れがた〜い、みたいな。あと何故かキャップを頭に乗っけるように中途半端にかぶってて、サイズ合わないのかな〜て思ったらいつもああなんですってね。え〜と…なんで?肩から下げてた鞄にポツネン柄(白黒のね)の小さい缶バッヂを付けてたんですけれども、あんなのグッズで出てないっていうから、あれはファンからの贈り物?それとも自分で買ったのかしら。いずれにしたって可愛らしい方ですよ、ホントに。


ムラジュン降板→代役オレンヂという事態は製作サイドにはかなりの大打撃だったんでしょうけれども、お金払って笑いに行く気楽な身分のこちとらサイドにはなんら支障なかったですね。待望のパンフがお蔵入り、というのは残念ちゃあ残念ですがアタシみたいな温いファンには微々たる問題です。
もう最初っからオレンヂくんでいくつもりだったんじゃねぇのみたいなお話に仕上がってましたもの。アレがムラジュンだったらまた全然違うTAKE OFFになってたんだろうな〜てゆうかなら他の人でもいけるってことだよな〜それも見てみてぇな〜と思ったので「再演して下さい」ってアンケートに書いてみましたよ。同じ事やるくらいなら新作を、とかどうせなら次こそラーメンズを、とかまでアタマいかないくらいひたすら楽しかったんだもの。あんな楽しくて楽しい空間なら何回でも味わってみたいじゃない。


最後に飛行機飛んでキャ〜とか皆で手拍子合わせてワ〜とかは最後まで馴染めないままだったんですが、あのひたすらに楽しい会場の雰囲気はとても好きです。観客側に居るアタシでさえそうだったんだから壇上の3人なんてめちゃくちゃ楽しくて嬉しいに決まってますよ。
4回目のアンコールでほんの一言づつコメント。で三・三・七拍子で締めますか、と。「お前らわかってるんだろうなぁ?!TAKE OFFだぞ?音楽なくても出来るよな?!」と小林さんが荒々しく観客の皆さんを煽るんですが、その板についてなさの愛しき事よ…!理系メガネ男子万歳だこの野郎!!


5回目のアンコールで出てきたのは小林さんお一人、小道具のハーモニカをでたらめにブカブカ吹き鳴らし始めたのには内心ヒヤヒヤしましたが、すぐに残り2人を呼び込んでくれました。手にはこれまた小道具で使用したうまい棒の余りを山ほど抱えており、それを観客に投げ入れるオレンヂくんと久ヶ沢さん。小林さんはHAEに寄り掛かりながら半笑いでそれ眺めてました。アタシも舞台から降りて一人一人に手渡しで配り始めた久ヶ沢さんから直接貰いましたよ。終演後にいただきましたのでこれで筋肉モリモリ間違いなしですね、ご馳走様でした。最終的には久ヶ沢さんの小道具である折尺、オレンヂくんのゴーグル、小林さんのハーモニカ(あぶねって)までが会場に投げ入れられる始末。あ〜最後なんだな〜て思った瞬間でした。とはいえ何時ぞやのアリスちんみたく思わず涙ぐんじゃう、みたいな気持ち悪いことにはなりませんで、ひたすら楽しい楽しいあ〜楽しいつて、終わっちゃった。その最後、ラーメンズでもお定まりの台詞「おっさんらは疲れてんねや」が小林さんの口から飛び出したらもう潮時ですよね。でも横に居る久ヶ沢さんが「俺は全然だけどね!てゆうか疲れたことなんてないからね!……嘘だけどね!」半畳入れたりなんかして、いよいよ終われないわけですよ。結局小林さんがわ〜!って両手を上げて雄叫びを上げたかと思えば「♪お〜〜に〜っぽ〜ん♪」てサッカーの応援?!そのまま勢いつけて帰っちゃいました。


なんだなぁ。ホント楽しかった。笑って汗かいた。ラーメンズをみてるときとはまた違う汗で、凄く気持ちよかったです。見に行って良かったです。また見たいです。
ありがとうございました。




おまけ:影アナと携帯と笑い声の話。
結局片桐さんの影アナはアタシが唯一見に行かなかった6/24の昼公演で流れたらしいですね。なんか片桐機長による機内アナウンス、みたいなテイでグダグダの英語をしゃべってらしたようです。
それと関連した話で、今回そのとき以外は一度も影アナって流れなかったんですよ。アタシが聞き逃しただけ?と思ってたんですけれども、ある日の終演後後ろに座ってらしたラーメンズ関連の舞台初体験の方が「影アナが流れなかったってことは、それだけ観客のマナーが信用されてるんだね」って感心してましたよ。勝手に自分が褒められた気になって、とても嬉しかったです。そうなんですって。ですってよ。
だ・の・に!その次の日の大楽、一番前の席から携帯の着ごえが聴こえてきました。ばかー。6回死んで5回生き返れー。
あとアタシの隣の方は大概「笑い声ウルセ」とお感じになってらっさるのではないかと毎回申し訳なく思っているんですが、今回アタシを上回るゲラ声の方のお隣に座りまして、とても面白かったです。序盤のたいしたことないとっからテンションMAX★もしかしたら前回のポツマルで「がるえ!」ゆうてた方と同一人物かもしれませんね。笑い声もさることながら時折入る突っ込みも冴え渡ってました。一列前のお嬢さんも思わず振り向く勢いです。アタシじゃない、今回はアタシじゃないよ?!と必死に目で訴えておきましたが、なにぶん一瞬のことなので伝わったかどうか。とても心配です。