岡嶋二人「99%の誘拐」

前々から気になっていた作家(達)ではあったんだけど、やはり名が知れているだけあって、面白かった。この作品が1988年に出版されていることに、まず驚く。コムピューター関係の会話がかなり出てくるんだけれども、非常にわかりやすかった。それは単に昔の話だから、というのではなくて作家の力量ですな。


これはミステリーで、誘拐のお話で、その過程を登場人物と一緒に共有する、という一見興奮モノなお話だけれども、読後感はなんだかしんみりしてしまった。そこが良かった。これは、良いお話。