博士のあいした数式

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

最後まで博士の愛する数式に魅力を感じられないまま読了。良書だとは思うけどバカには不向き。同じ先生モノならセンセイの鞄 (文春文庫)の方が好みです。
ちびルートの男臭さにヤられました。なんて格好いい10歳なんだ!


カミュはなんちゃら、いう映画*1の元ネタ?らしい事件を扱った退屈な殺人者と、一家を惨殺した上に唯一生かした少女をレイプした事件を取り上げた19歳 一家四人惨殺犯の告白 (角川文庫)を読みました。両方ともノンフィクションなんだけど、妙に人間臭い文章が邪魔でした。特に後者。突然作者のセンチメンタルに付き合わされて困惑しました。誰がいつお前自身の話をしていいと言いましたか。でも1人の人間が書いている以上、それは仕方がないことなのかも。ギシギシに客観的な報告だけが欲しいのなら裁判の議事録あたりを読むしかないんでしょうね。
色んな事件を通じてしみじみ思うんだけども、欲望を制御出来なかったり、その結果についての見通しが甘かったり、あまりにも想像するのが下手な人が居過ぎるんではないかなぁ。そしてこういう本を好んで読むアタシは、逆に想像することによって欲望を制御しているんだろうか。死が崇高に扱われているノンフィクションや恋愛小説、あっけなく簡単に人が死ぬ殺人事件ルポや推理小説がこんなに巷に溢れてるのは、それだけ多くの人が欲望を持て余しているからなんだろうか。