ALWAYS 三丁目の夕日

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2006年1月1日に見に行った映画はこれでした。
正月休みには映画を見に行く、というのが我が家の数少ない年中行事のひとつなのです。これまでは悩まずとも見たい映画は自然と決まってたんですが、2006年の正月映画はどれもこれもアタシ的にグッとくるものがなく、チラホラと見てまわった映画感想サイトで概ね評判が良かったので〜みたいな軽い気持ちで選んでみました。原作の漫画は昔よく読んでいて好きだったし、同行する母親は昭和20年生まれでドンピシャ世代だし、穏やかに眺めていられる中庸な作品なんだろうな〜、と。


それが蓋を開けてみたらあーた、号泣ですよ。大号泣ですよ。嗚咽こそ漏らしませんでしたが、滝のように涙を流しつつハンカチを握り締めるアタシを横目で見ながら、母は「(団塊の世代でもないのに)なんでアンタが泣いてるの」と内心笑っていたそうです。かつて、次から次へと溢れ出てくる嗚咽を押し込めるのに往生した映画は「グリーンマイル [DVD]」です。「ひぃっく」とかしゃくり上げてました。泣きすぎだ、いくらなんでも。でもねぇ、駄目なんですよ動物と子供と老人が出てきちゃうともう、ね。堪らないの。グリーンマイルはこの三強揃い踏みだし、オールウェイズは子供と老人*1だし、何をどうしたって号泣するに決まってるわけです。


とても良い映画でしたよ。映画全編通して、まさに夕焼け色なんです。それは見た目の色合いが柔らかい光りに満ちているということもありますが、登場人物の体温や笑顔のぬくもりなんかからも、ほのぼのとした夕焼け色を感じました。
見事な夕焼けを眺めているときに感じる、じわじわと沸き起こってくる暖かな高揚感、それに伴って思わず笑顔になってしまうかんじ、ものも言わずに隣で一緒に立ち尽くしている誰かの存在がとても大切に感じられる一体感。そんなあったかい空気が全体に流れてるんです。


でね。印象に残ってるのは、その空気がスクリーンのこっち側にも流れてるってこと。面白いのは、画面から溢れ出てきてるんじゃなくて、そっちとこっちで同時に発生してるんです。客層がほとんど団塊の世代のなんですよ。更にその男性女性の比率が半々ぐらいなんです。だから笑い声が、低い。そんでその笑うポイントがまたベタなんだ。いかにも「笑ってください?」てとこで皆さん無邪気に笑ってらっしゃる。あとね、皆さんリラックスして映画を楽しんでました。アタシが映画を見に行くのは大抵レディースデイの遅い時間なので、同世代で女性の比率が高いんですよね。とっても新鮮でした。


古い町並みを忠実に再現したセットやCGは見てるだけで楽しいですし、作りかけの東京タワーや高い建物がまだひとつもない街の風景にはちょっと感動しました。




(つづく…

*1:人、というよりは情景として。ノスタルジーと言い換えてもいいです